ローレライ

ローレライ
ローレライ
posted with amazlet at 08.07.09
ポニーキャニオン (2006-07-19)
売り上げランキング: 45857
俺は邦画は好きではないのですが監督が樋口監督なので
「これは観ておかないと!」というわけです。
いやー、正直言ってこんなに良いとは思わなかった。
実写でやる事に意味がある感じだ。潜水艦のCGもそんなに違和感無かったし。
物語はとても漫画な感じ。「戦争物だからなー」と避ける必要は全然無いね。
漫画映画や特撮映画を観に行く感じで全然OK。
でも気になる点もいくつかありました。
まずイントロのフォントからガイナックスな感じがしすぎた。
その後に外人がベラベラと喋る事によって洋画=映画をイメージさせて
観客の見る姿勢を洋画な感じにさせようとしているのに。
その文字のせいでナディア!とか綾波!とかを考えるようになってしまうじゃあないか。
その外人もどうかなーって思った。
日本人に外人の見分けが付かないと思っているのか人数少ないし。
セリフもやたらと単語で喋るし。
いまどき(まぁ戦時中だけど)「ジャップ!」とかってどうよ?
で、次は脚本なんだけれど
なんか感動シーンになる決死のシーンに理由が無い感じがした。
「ここで死ぬシーン」みたいな感じ。
何故に柳葉敏郎演じる木崎が電源の所に行かなければならなかったのか。
木崎が電気技師だったとかの説明が無い以上(俺の見逃しならごめん)他の乗員でも何の問題も無いわけだし。
それこそ「ボールが取れない!」ってシーンを「あやとりのヒモが取れない!」に変えて
演技の下手なピッチャー君が電源の所に行ってもいいわけだし。
なんか「ここで泣いてください!」と言われている感じがした。
そのピッチャー君(佐藤隆太)もオデロのようないきなりの死に方だし。
死に方もナディアにあったような死に方だし。
「突然死ぬのが戦争だ」と言いたいのか?
いくら回天搭乗員だからって溺死は納得できないだろ。
気が変わって「死にたくない!」って言っても俺は許すけどな。
それに野球のボールって水に浮くだろうから最後につかませてやっても良かったんじゃあないのかな。ボールも取れず、ただのファンサービスの為だけに死んだピッチャー君。合掌。
あと軍隊の厳しさみたいのが一切映っていなかったのが気になった。
俺は戦争とか戦時中の感じを良くは知らないのだけれど
何というか上官に対しての行動が「学校における先生と生徒」ぐらいの感じしか受けなかった。
戦時中の日本軍ってそんなにフランクな感じなのかな?
上官ってもっと遠い存在なんじゃあないのかな。間違ってたらごめんなさい。
最後に俺が一番気になったのはみんなが「パウラ」って呼ぶ事。
たとえば俺があの状況なら聞きなれている日本語の部分「アツコ」って呼ぶと思うのだが。
そのほうが仲間感が強まるし。
艦長も今後パウラを兵器として利用するわけだし、感情を入れないために名前で呼ばないとかの方が良くないかな。で、最後に「パウラ」って呼ぶとかさ。
おお!ついに個人として認めたぞ!みたいな感じで。
まぁ色々言ったけれど面白い事には間違いないと思う。観て損は無いはず。
本当にヒットして欲しい。
そしてまた凄い邦画を俺に見せて欲しい。いやまじで。