マシニスト

ラジオでみうらじゅんが褒めていた『マシニスト』。
俺にとってはガン=カタよりもブルース・ウェインクリスチャン・ベール
ガリガリ姿を遂に観ました。観てしまいましたよ!
正直言ってストーリーの骨格自体はよくある話。
ただ、その『よくある話』をここまで素晴らしく出来るものなのか!と
拍手を送りたくなるほど俺好みな脚本でした。
何度も言っているのですが、俺はラスト付近から始まって最初に戻る(?)
時間軸のずれたイントロが大好きなのですよ。
漫画で言うと「ファイブスター物語」とか「ZETMAN」とか。
なのでイントロから引き込まれてしまったわけですがこの脚本が本当に凄い!
クリスチャン・ベール演じる主人公トレヴァーの不眠、
不可思議な張り紙、工場での腕切断事故、謎の男アイバン、娼婦のスティービー、
そして空港で知り合ったマリアとその息子ニコラス。
眠れないからの異常心理なのか。異常心理ゆえに眠れないのか。
すべてが必要不可欠になっている。素晴らしい。
各所にちりばめられた演出も素晴らしく憎い。
左右の分岐、1:30の時計、全てを語るルート666
公共料金、写真、家の間取り、車のナンバー。
てんかんを起こしたニコラスを家に送る時に言ったマリアの台詞。
本当に素晴らしく、巧い。
そしてやはりこの映画を語る上で絶対にはずせないのが主人公役のクリスチャン・ベール
『ナッティープロフェッサー』のエディー・マーフィーのように
『太る』というのは特殊メイクで何とか出来る。
もしかしたらガリガリ姿も特殊メイクで出来るのかもしれない。
だが実際にガリガリ姿になってしまう。
この姿が現実にいるというのがこの映画をより一層面白くしたのだと思う。
そしてその動き。
実際、映像特典で「筋肉が無いから早く走れない」と言っていたが
その姿だからこそリアリティが生まれ、観客は映画に釘付けなったのだと思う。
本当に恐ろしい俳優だ。
以前『アメリカン・サイコ』を観た時にも思ったのだが、
この男に精神的に病んでいる役をやらせたら誰も勝てないのではないだろうかと思う。
だからバットマンのブルース・ウェイン役も適任なのだろう。
まぁつまり、バットマンの続編にはやはり期待しようという事です。