マイアミ・バイス


マイアミ・バイスといえば「80年代、全米を熱狂させたスタイリッシュ・ポリスアクション」
として有名ですが、その映画を『コラテラル』の監督、マイケル・マンがリメイク!
コラテラルは「えー、トム・クルーズに悪役なんて出来るわけ無いじゃん」と
妙な偏見を持ってしまって観ていないのですが
このマイケル・マン監督、どうやらマイアミ・バイスTVシリーズの製作総指揮をやっていたとの事。ならば脚本選びは大丈夫だろう!あとは俳優だけだ!
俳優はコリン・ファレルジェイミー・フォックス
おお!コリン・ファレル好きだし、良いんじゃあないのか!
そんな流れで本編の感想です。
マイアミ警察のソニーとタブスが合衆国の極秘情報の漏洩ルートを探るべく
麻薬ディーラーになりすまして巨大なドラッグ組織に潜入する!
ありがちなストーリーといえばそうなのだけれど
王道好きの俺にとっては全然OK!良い展開だ!
でもこの映画、観ていてちょっと気になったところが。
アダプテーション』の中で「ハリウッド映画に必要なのはセックス・ドラッグ・カーチェイスだ」と言っていたけれど、このマイアミ・バイスはそれらを盛り込んでいるのに
どこかマイナー感のある作品に思えた。
たぶん前半のジェイミー・フォックスのセクシーシーンなど
「これちょっと尺が長くないか?」な部分があるからかなと。
人間の條件』のカメラマンは「僕は撮る人、あなたは切る人。だから自由にカットしさい」と編集者に言ったらしいがまさにその通り!
いくら良い映像でもテンポの悪い所はズバッと切るべきだぜ!
しかしそのマイナー感がとても良い効果になっている所ももちろんある!
それはラストの銃撃戦!
ハリウッド映画の銃撃戦といえばドカーン!というイメージだけれどもこの映画ではとても静か。
俺にこの映画を勧めてくれた友人も
「だからリアルに感じられた」と言っていたけれど本当にそうだった。
先日、友人とメタルギア・オンラインという戦争ゲームの話をした時に
俺が「俺の撃つ弾はなかなか当たらないのに相手は俺に当ててくる!」
と何気ない愚痴を言った。
そうしたらその場にいた軍事マニアの友人が
「多分相手は銃を連射しないで3発ずつ撃ってきているんだと思う。
そうすると銃を撃った反動での銃身のぶれが少ないんだよ。実践でもそうしているらしいよ」
と長々と語ってくれた。

このマイアミ・バイスの銃撃戦、まさしくそうだった!
ソニーやタブス、警察達は銃を連射しない。3発ずつ撃つ!
それに比べて麻薬組織側(とくにイエロ)は銃を連射しまくる!
おおお!リアール!リアルですよ!
そんな好印象のマイアミ・バイスですが最大の不満が。
それは主役がコリン・ファレルジェイミー・フォックスな事。
いや先述の通り、役者としては凄く好きなのです。
だけれど旧マイアミ・バイスの俳優のイメージを消せないんだよ!
どうみてもコリンファレルとジェイミーフォックスなんだよ!
俺としてはいきなりお前らをソニー&タブスと言われてもイマイチ乗り切れないんだ!
だから脚本でもっと「俺達がソニー&タブスだ」と言わせないと!
とくに最後の所でイザベラが「あなたはいったい何者なの?」と言ったシーン!!!
あそこは名乗ってカタルシスを得るシーンだろ?
それまで偽名使っていたんだからさ!
そんな良し悪しのあるマイアミ・バイスですが俺としては結構オススメです!
旧役者のイメージが消えるぐらいのシリーズにして欲しいぞ!