魔法にかけられて



アニメ世界のお姫様が魔女の罠で現実世界に来てしまう!
と言っても『ロジャー・ラビット』のようにアニメと実写が同時に出るのではなく
プリンセスも魔女もリスも全て実写に変換される。これはなかなか面白い!
主人公のプリンセス・ジゼルを演じる女優もその相手役になる弁護士の俳優も
全然知らない人でビックリ。そのぶん余計なイメージが付かずに見られて凄く良かった。
邦題も素晴らしいと思う。原題のEnchantedのままだと
ジュディ・オングの歌のようになってしまい妙なイメージが付いてしまうだろうしね。
内容は本当に良かった!
舞踏会のシーンで現実世界の人がファンタジックな衣装なのに
ジゼルのみが現実感溢れる衣装だという演出も抜群に良かったし、
ラストで王子が自分が運命の相手じゃないと悟ったシーンも全然ひがんだりしないで
ただ「おめでとう!」という感じだったのがまさにアニメの王子という感じで最高だ!
前評判で「ディズニー作品のパロディ満載!」的な売り出し方をしていたけれど
それも全然嫌味にならなくて良かった。
音楽も5枠しかないアカデミー賞音楽部門に3曲もノミネートされてしまうだけあって
とても印象に残る良い音楽だった。サントラ買っても良いぐらい。
そんな褒めてばかりの映画ですが、難点がふたつ。
ひとつめは俺の大嫌いな虫を大画面で見なければならない事。
ふたつめはラストで屋根の上に落ちた時のセリフが気に入らない。
あのシーンは「本当によく落ちるね」のあとに「君は『落下姫』だな」とか言って欲しかった!
オーロラ姫が『眠り姫(Sleeping Beauty)』のようにジゼルにも通称が欲しかった!
Falling Beautyとかいいと思うのに! 


魔法にかけられて 2-Disc・スペシャル・エディション
ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント (2008-07-18)
売り上げランキング: 8

デス・トゥ・スムーチー


子供番組の人気スター「レインボー・ランドルフ」がスキャンダルにより解雇されてしまった!
番組プロデューサーは大慌て!早く次の人気スターを作らないと!
スキャンダルの絶対に起きないクリーンなつまらない男という事で探し、
やっと見つけたのは勝手に病院の慰問をやっているような真面目すぎる男。
この男は紫色のサイ「スムーチー」の着ぐるみ(というか帽子)姿で色々な人たちに
砂糖の摂り過ぎは体に悪いとかの小言を歌にして歌っている。
番組を取られたと逆恨みするレインボー・ランドルフ
次第にスムーチーに惹かれていくプロデューサー
そしてスムーチーを利用しようとするマフィアまでがストーリーに絡み合っていく!
スムーチーもお金のかかってそうな着ぐるみにパワーアップだ!
この面白い脚本に『デス・トゥ・スムーチー』というタイトル!
そして豪華すぎる俳優陣!
スムーチーに『ファイトクラブ』のエドワード・ノートン
レインボー・ランドルフに『パッチ・アダムス』のロビン・ウィリアムズ
美人プロデューサーに『カポーティー』のキャサリン・キーナー
今年のアカデミー賞の司会もしたジョン・スチュワートまで登場だ!
そして監督は『バットマン・リターンズ』でペンギンを演じたダニー・デビート!!!
ラストのスケートシーンも面白いので未見の人は是非!


デス・トゥ・スムーチー 特別版
ワーナー・ホーム・ビデオ (2007-11-02)
売り上げランキング: 26654

肉の蝋人形


このDVDはスペシャル版になっていて1953年版と1933年版が収録されているのですが
それが面白いことに1枚のディスクに入っているのです。
どう入っているかというと、まるでレコードのように裏表に入っているのですよ!
ありえない!物凄いサプライズ!
そんな感じで感想です。
まずは1953年版『HOUSE OF WAX』。
俺の大好きなヴィンセント・プライス演じる蝋人形作家が
火災保険目当ての共同経営者の手により蝋人形館が放火され、
その火事に巻き込まれて死んでしまう。
…しかし彼は死んではいなかった!
復讐と作品作りという狂気に取り付かれた彼は
新たな蝋人形館「HOUSE OF WAX」を開くのであった。
ゾクゾクとくるストーリー展開!
映像の方はどうやらこの映画は3D映画として作られた作品らしく、
劇中で無意味に(3D的には意味があるのだろうが)観客が3Dを楽しめるシーンが入っている。
蝋人形館の呼び込みが「ポップコーンを〜」と言っているのは
この映画を見に来た観客に向けてのセリフなのだろうな。
でもそれも全然嫌味じゃない。
そしてやっぱりヴィンセント・プライスの怖さ!
紳士の姿の時はアメコミ好き的にはDr.ストレンジのような品格。
そして怪物のような姿では恐怖の塊!
素晴らしい映画を見てしまった!最高だ!

そして1933年版の『MYSTERY OF THE WAXMUSEUM』。
ベースのストーリーは1853年版を変わらないのだが
主役が蝋人形作家ではなく、スクープを狙っている女性新聞記者をなっている。
こいつが本当にウザい。
俺はこういう奴が凄く嫌いなので「早く蝋人形にされてしまえ」と思いながら見ていたのですが
なんか良く解らないハッピーエンドみたいなので終わってしまいました。
ストーリーはそんな感じなのですが、映像は抜群に良い!
影を多用する映像やドイツ表現主義的な映像は1957年版よりも良いかもしれない。
カリガリ博士』とか好きな人はこっちの方が映像的には好きかもしれないですな。
両作品とも面白かっただけにパリス・ヒルトンの出ているリメイク(なのか?)は
全く食指が動きません。誰か見た人感想教えて。


肉の蝋人形 コレクターズ・エディション
ワーナー・ホーム・ビデオ (2007-10-12)
売り上げランキング: 92768

Mr.&Mrs.スミス


『ジョン・スミス』というと俺の中ではAチームのハンニバルなのですが
ブラッド・ピットがジョンスミスと名乗る方の映画『Mr.&Mrs.スミス』を観ましたよ!
ストーリーは単純明快。
ごく普通の夫婦、ジョン・スミスとジェーン・スミス。
仲の良い夫婦はお互いに大きな秘密を隠している。
それは職業が殺し屋という事。
それをバレないように生活していって…という話。
なかなか良くできたコメディ映画だと思う!
オーブンの中に銃が隠してあったり、色々と無茶な仕事道具も面白い!
ブラッド・ピットはもっとコメディな感じでも良かったのかもと思ったけれど
アンジェリーナ・ジョリーが良い感じなので気にならないな!
Yシャツ姿で髪を垂らし、素足にブーツ姿なんてまるでポイズンアイビーだぜ!


バタフライ・エフェクト


いやー、この映画は最近観た映画の中では抜群の出来じゃあないでしょうか!
幼少の頃からときどき記憶が飛んでしまう主人公のエヴァン。
症状の治療になればと子供の頃からずっと日記を毎日付けていて
大人となった現在にその日記を読むと
日記に書いてあるその当時にタイムスリップしてしまう。
そんな素晴らしく良く出来た設定をさらに素晴らしい脚本が完璧にしている!
そして素晴らしい役者!
俺の中でのアシュトン・カッチャー
『Punk'd』でキャッホキャッホと喜んでいる奴だったのですが
いやー、演技凄いな!タイトルのインパクトが凄い『ゾルタン星人』も
観てみようかななんて思ってしまうぜ!
俺が特に気に入ったシーンは母親が入院しているのを見て「僕が治してあげる」と
イカレた、だけど本気の眼差しで言うシーン。
このシーンは俺の大好きな筋肉少女帯の名曲
『機械』という曲の歌詞と重なったので最後に書いてみました。
  あの男は狂っていた
  本当に人を救う気でいた
  ほらごらん、天使呼ぶための機械さ
  これで消せる 人の悲しみを
興味があったら聴いてみて下さい。


キラキラと輝くもの
キラキラと輝くもの
posted with amazlet at 08.07.09
筋肉少女帯
マーキュリー・ミュージックエンタテインメント (1996-12-09)
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レミーのおいしいレストラン


いやー、ディズニー映画でネズミが主人公という
なんとも大胆不敵な題材だと思っていたのですが
この映画はネズミが主人公じゃないと駄目な映画でした。
個人的に思ったのがカメラの素晴らしさ!
ネズミをときに可愛らしく、ときに気持ち悪い存在として映す。
この映像は本当に凄い!
あとパリの街の映像が凄い!
遠景で見たときは限りなく実写に近い映像。
でも主人公達はディフォルメされているので、主人公達に近くなるにつれて
建物や乗り物などが段々とディフォルメされていく。
これってマジ凄い!
料理評論家イーゴのキャラデザインも素敵だ!
服装は映画『カリガリ博士』のチェザーレのような服。
どことなくF.W.ムルナウの『ノスフェラトゥ』を意識している感じのポーズで
タイプライターもドクロに見えるデザイン!
恐怖と畏怖のイメージを体中から出している!素晴らしい!
今まで見たピクサー映画の中ではダントツの出来栄えなのではないだろうか!
本当に面白かった!


レミーのおいしいレストラン
ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント (2007-11-14)
売り上げランキング: 792